漆の実のみのる国・米百俵
先週末は藤沢周平さんの「漆の実のみのる国/上・下巻」文芸春秋・1997年刊を読みました。飢饉と莫大な借金で経営に苦しむ米沢藩を舞台に繰り広げられる人間ドラマで、藤沢さんの著作の中でも「蝉しぐれ」と双璧を成す時代小説だろうと思います。
「現在」からは、収入に対して非生産部門である武士(官僚機構)が多すぎるのが小説中の米沢藩の問題だと簡単に指摘できはしますが、旧来の組織をうち破り、「身分の低い」人材を登用することの難しさや家柄・プライドの厄介さ、幕府に対する儀礼・普請への莫大な出費、天明の大飢饉、などなど「リストラ」すれば株価が上がるというようには行かないわけです。
人心荒廃と財政破綻した藩を抱えながら新たな人材に期待をかける、天災の到来の予感におののきながら「漆100万本」に財政再建の夢を託した年若い領主が壮年になった最終章の感慨が印象的でした。注意深く読んだつもりですが「米百俵」のような美談はありませんでした。藤沢さんの小説では当然のことですが。
Linkにアルトサックス奏者・大森明さんのホームページ「BOP CITY」を追加させていただきました。8月に久々の新CDをお出しになるとのこと、楽しみにしております。いずれライブにおじゃましてレポートさせていただこうと思っています。


