宮崎ロッド・Prime Time バンブーロッドPiggy's Tail

2004-11-05

ベトナム帰還兵の証言 - 現在は過去とともにある

「ベトナム帰還兵の証言」岩波新書・864(絶版中)を読んでいる。当時、政策として隠蔽されていた残虐行為・ジェノサイドを「戦争に反対するベトナム帰還兵の会」の元兵士たちが語る。アメリカの中で彼らをいまだに「敵」と考えている人々は多い。

わが国は、わが国があの国に押しつけようとしているものにベトナム人が抵抗するのをやめさせるには、どれほどの数のベトナム人を殺す必要があるかについて、きわめて系統的に目標を定めてきました。私の考えでは、これは政策です。われわれはこの公聴会で、こうした政策を立証しうると思います。かつて軍務についた経験がなくてこの証言を聞くかたがたは、わが国民、われわれの兵士、息子たちが、この部屋で語られるようなことのたとえ一部でも、どうしてやれたと驚かれるでしょう。べつの状況のなかでは正常な人間が、テロ、拷問、破壊、理不尽なことをはたらいているのです。どうしてかれらに、あんなことがやれたのでしょうか。八週間という短い新兵訓練で、どうしてかれらが、あんなにもはげしい変化をしめすのでしょうか。きわめて少数の人間が、きわめて多数の人間にたいして、あれほど多くのことをやれるという事実は、わが国の大学、高校、日常生活が新兵訓練に先立つ予備訓練にほかならないという事実を、もっとも端的に証明していると私は考えます。
  1. ドナルド・ダンカン一等曹長
  2. 第五特殊部隊
  3. 「証言することの苦しみ」より・同書11ページ

「ベトナム」を今日のべつの国に置き換えたとしても、当時との様々な状況の相異はあるとしても、ダンカン一等曹長がいうことは大きな違いはないと私は思う。彼が指摘する「政策」は、より巧妙に手直しされながら継続されているということだろうか。

現在は過去とともにある。私たちの心の闇に、差別と劣等感に身を委ねるようにと呟き続けるものがいるのだと私は思う。過去から学ぶことが未来をよりよくすると信じる、しかし過去は自他の苦渋と屍に充ち満ちている。

Posted by TM* at 2004-11-05 11:33 in 暮らしの周辺 » 読書 | English | Permalink | 
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