漆の実のみのる国
土曜日の「子豚のしっぽ」です。このあいだの台風が通りすぎて秋らしい空気を運んで来たかと思うと、手前桜公園の老桜と欅の梢に響き渡っていた蝉たちの声がはたりと止んでしまいました。
すると入れ替わりにトンボがやって来て、ふわふわと秋の陽射しの中に漂いながらキラリっと反転する今日このごろ、であります。
久しぶりに藤沢周平さんの「漆の実のみのる国」全集第二十四巻・文藝春秋刊を図書館から借りてきました。
この小説に登場する人々の生き生きとした語り口には、逆境が人を鍛えるという厳しさ以上に、人と人が手を取り合って生きることの愛おしさのようなものを私は感じます。
今の時代を「幕藩体制の末期」と見ると、外圧による政治の迷走や硬直した制度がもたらす不経済と地方経済の疲弊など、偶然の一致以上によく似ているようです。
若き日の、あるいは壮年の上杉鷹山たちが見た「漆百万本の夢」に今あたるものは何かなと考えると…。

