徳川幕府のサラリーマン・川村さん
「旗本の経済学/小松重男著/新潮選書/1991」を読んでいます。この本は実在した江戸時代末期の旗本・川村修富(かわむら ながとみ)が残した日記を辿ることで、いわば徳川幕府のサラリーマン・川村さんの仕事や「江戸の経済学」を知ることが出来ます。とともに当時の幕府職制は世襲や縁故による「家族主義」的なものだったようですがそれ故に強力な官僚機構が維持できた事を気付かされます(著者はそれが現在も継承されていると指摘しています)。
この時代、武士のような仕来りや格式にとらわれない庶民の方が美味しいものを食べていたそうです。出仕(就職)が叶った部屋住みの修富・18歳に甥っ子・7歳が「もう叔父上は、我が家の厄介なんぞにならずとも済むのですね」と言わせる著者のまなざしが過去と現在を生き生きと橋渡しいているようです。

